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長田典子「もしもできたら」言葉と一緒に [something blue]

もしもできたら     長田典子

できたら
犬のポチのときみたいに
湖の見える山の斜面に埋めてください
心臓の辺りに小さな梅の木を植えてください
二月のある日 白い花が
冬の花火のように満開になる頃
漣のように甘い匂いが広がるでしょう
鳥が乳のように蜜を吸い 囀るでしょう
誰かが ふいに振り向いて言うでしょう
もうすぐ暖かい季節が始まると
できたら もしできたら


                 ※
 私の場合、ひとつの詩を書くのに何日も何日もかかるときと、一時間もかからずにあっという間に
できる場合があります。そして、このことは誰もが同じではないかと思います。

 しかし、よく考えてみると、これは不思議なことのような気がします。一時間足らずで、できるときは、まるで風が吹いてきたように、ふあっとできます。
 あるいは小鳥の声がきこえてきたかのようでもあります。

 ところでこの詩は、あるとき詩人の中にふあっと生まれたものではないかと感じます。ひとつの詩としては決して深遠な詩であるとか、鋭い詩とかいうものではありませんが、何とも今生まれたばかりのような初々しさがあります。(恐らく、この初々しさはいつになっても消えることはない)

 こういう詩は書けそうで、しかし、決してそうではありません。いつもいつも、言葉と一緒に何かを
考えている、言葉と一緒に何か悩んでいる、
 そうしたなかから初めて生まれるのだと思います。
 そのひとつの証が最後の言葉にあります。「もしできたら」、この言葉が私のこころの奥に響いてきました。
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